当サイトにおける航空無線公開に対する考え(2005/06/10現在)
| 電波法(昭和二十五年五月二日法律第百三十一号) 最終改正:平成一七年三月三一日法律第二一号 電波法では、第五十九条第一項において、「何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信(電気通信事業法第四条第一項 又は第百六十四条第二項 の通信であるものを除く。第百九条並びに第百九条の二第二項及び第三項において同じ。)を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。」とあります。 補足:当サイトは電気通信事業法で定める電気通信事業者ではありませんので、上記のカッコ書きについては関係ありません。 また、第九章罰則(第百五条―第百十六条)では、第百九条第一項で、「無線局の取扱中に係る無線通信の秘密を漏らし、又は窃用した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」さらに同条第二項で「無線通信の業務に従事する者がその業務に関し知り得た前項の秘密を漏らし、又は窃用したときは、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。」とあります。 さて、先ず第一に、法律の罰則については、違反があった条文について、どういう処罰がありますと謳うのが一般的です。 例えば、 第六十六条第一項の「海岸局、海岸地球局、船舶局及び船舶地球局(次条及び第六十八条において「海岸局等」という。)は、遭難通信を受信したときは、他の一切の無線通信に優先して、直ちにこれに応答し、かつ、遭難している船舶又は航空機を救助するため最も便宜な位置にある無線局に対して通報する等総務省令で定めるところにより救助の通信に関し最善の措置をとらなければならない。」とあり、 これに違反した場合に対応する罰則として 第百五条第一項「無線通信の業務に従事する者が第六十六条第一項(第七十条の六において準用する場合を含む。)の規定による遭難通信の取扱をしなかつたとき、又はこれを遅延させたときは、一年以上の有期懲役に処する。」となっており、明確に1対1(条文によっては複数対1)の関係で罰則が規定されています。 ところが、第五十九条第一項に違反した場合に対応する罰則は、第九章罰則(第百五条―第百十六条)の中に明確には見あたりません。正確な表現をしますと、第九章罰則の条文中には第五十九条の文言は出てきません。つまり第五十九条第一項に違反した場合の罰則は、あえて探してみると、第百九条第一項に該当するのかな?という程度となります。 ちなみに当サイトの管理者は、無線通信の業務に従事しているわけではないので、第百九条第二項に抵触することはありません。 第二に、いったん第五十九条第一項と第百九条第一項との関係はおいといて、そもそも航空交通管制の無線通信は、第百九条第一項に規定される「無線通信の秘密」に該当するかという問題です。 航空交通管制は、「航空機相互間及び航空機と障害物との安全間隔を設定し、航空交通の秩序ある流れを維持促進するための業務」であり、航空無線はそのための無線通信です。実際に行われているほとんどの通信は、定形文の通信であり、これが「秘密」に該当するのかどうかは甚だ疑問があります。 例えば、警察(聞いてもわかるように復調できませんが)や救急無線は、個人情報をはじめ明らかに秘密といえる通信が行われていると思われます。ましてやコードレス電話や携帯電話など個人の通信となると、言うまでもありません。これらの通信を想像するだけでも、「秘密」の程度の違いがおわかりになるはずです。 第三に、では現実問題として、これまでに電波法の第五十九条第一項が争点となった判例はどれくらいあるのでしょうか? 最高裁判所、高等裁判所、下級裁判所のいずれの判例検索サイトで検索しても、一件もありませんでした。もちろん一件もないからといって、これからもないとは言えません。また、ないからといって、何でもOKということにはならないでしょう。 そこで当サイトとしては、自主的に以下の方針を持って公開することとしていることをお知らせいたします。 ○リアルタイムでの公開は行わない。 ○必ず何らかの編集を行う。 ○緊急通信や個人情報などが含まれる通信は公開しない。 なお、上記の方針はあくまで現時点での見解ですし、公開そのものを将来にわたって続けることを宣言するものでもありません。 <参考> 1 航空交通管制について 航空保安業務の概要 http://www.mlit.go.jp/koku/04_hoan/ 2 判例について 最高裁判例集 http://courtdomino2.courts.go.jp/schanrei.nsf 高等裁判所判例集 http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/TOPK 下級裁主要判例情報 http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf |